蜜蜂と遠雷~浜松国際ピアノコンクールを思い出す
第156回直木賞と2017年本屋大賞の
恩田陸著
蜜蜂と遠雷
浜松国際ピアノコンクールを基にした長編小説。
2017年当時からこの本の存在は知っていたけど、実際に読んだのは最近のこと。
折よくも第10回浜松国際ピアノコンクールの後だったので、小説の中の情景が実際の浜コンとかぶってしまいます。
中ホールの響き方、ロビーやエントランス、
審査員が階上から降りてくる様子…
1次予選、2次予選、3次予選そして本選。
そうそう、その通り!と言いたくなるくらい似ています。
そうなってくるともう牛田君やジャンやヒョクではなく、小説の中の登場人物がそこに本当に存在するかのよう。
アクトシティ浜松でストーリーが展開されている…
そういう意味でも、とっても興味深い。
浜コンの後に読んでよかった。
内容は、恩田陸らしくしっかりとした構成。
ぶれない芯があり、登場人物それぞれの個性が光ってます。
音楽を2次元で、文字で表現しているのにもかかわらず、臨場感のある描写から
まったく知らない曲でも、まるで聴こえているかのように脳裏に音楽が流れてきます。
実際には聴こえていない曲を聴くことができるなんてすごいなぁ。
そして物語は本選ではなく3次予選がクライマックス!
この意表を突く構成が読み手の気持ちを高めます。
恩田陸、すごいです。
最後まで読み通してから、著者のプロフィールを読みさらに納得。
恩田陸は、直木賞を受賞し映画化された「夜のピクニック」の著者でした。
そうでした。そうでした。
水戸一高の伝統行事、「歩く会」をモチーフにした作品。
当時、友人が映画のエキストラで「歩いてくる」って言ってたっけ。
あれから10年以上たち、またこうして恩田陸の作品に出会えるなんてうれしいです。
蜜蜂と遠雷
まだご覧になっていない方はぜひご覧くださいね。