音楽とフィギュアスケート

2018年の世界フィギュアスケート選手権が終わりました。

これでフィギュアスケートのシーズンは終了。

 

男子フリーを見ていたら、オリンピックにに向けて調整してきたからか、世界フィギュアではピークが合わせられずジャンプで失敗する選手が続出。それも1回2回ではなく…

これほどジャンプを失敗する演技ばかり続く世界フィギュアは初めてかもしれません。
ジャンプ失敗の要因には、過酷な4回転ジャンプをたくさん飛ばなければいけないということから来る体の負担が大きいことも。

オリンピックで体はかなり疲労しているのに、回復する前に世界選手権。
来年の出場枠を取るために、むりやり体にむち打って出場している感も。

過酷なジャンプ競争で、選手の体が心配です。
来シーズンはもう少し選手に優しいルールになるといいですね。

男子フリーでただ一人(?)転ばずに演技を終えたのはネイサン・チェン。
4回転6本にチャレンジし、ほぼノーミスで演技終了。
オリンピックでの悔しさを晴らしたのではないかと思います。

 

ここでようやく本題に。

 

2018世界フィギュアで金メダルのネイサン・チェンとピョンチャンオリンピックで金メダルの羽生結弦。

どちらも素晴らしい高得点での金メダルですが、どちらの演技がより心に残るでしょうか?

もちろん羽生結弦選手ですね。

ネイサン・チェン選手と何がちがうのか?

 

一番のちがいは「音楽の感じ方」のような気がします。

羽生選手は音楽の一音一音をしっかり聴きとって、さらに曲のフレーズを表現し、さらに曲全体のテーマを表現しようとしています。

つまり細かな音を聴き取りながらも、全体に目を配った表現力。
ジャンプは表現の中の一つでしかない。

 

ほとんどの選手は一音だけ、またはフレーズだけ、全体のテーマだけ、とすべてが分断されていることが多いように感じます。加えて、ジャンプしなきゃとかまえてしまい、演技から現実に引き戻される。

一音に合わせて手を上げるのは得意でも、フレーズに合わせられず演技が曲とずれたり、

逆に、フレーズは感じられるものの、一音一音には合わせられずあいまいな演技になったり。

 

この「音楽の耳」のちがいが演技に大きく影響。

 

羽生選手はさながら氷上のピアニスト。
ピアニストは一音一音すべてを大切にしながら、曲のテーマに合わせた感情表現をします。
どんなに小さな音も見逃さず、すべてを完璧に。
羽生選手と似ている…

羽生選手のすごさは、
ジャンプの技術とスケーティングの技術の高さに加えて、「音楽の耳」で表現する能力。
ただジャンプさえ飛べばいいというものではなく、総合芸術。
難しいことを芸術的に表現したいという気持ち。
みんなへの感謝の気持ちと、絶対に勝つという強い気持ち。

自分中心に勝ちたい人はたくさんいるけれど、感謝の気持ちを素直に前面に出せる選手はなかなかいないです。

彼のスケートに対する信念が最大限に発揮されるとき、多くの人は彼の演技に魅了され、いつまでも忘れられないものになりますね。

 

この「音楽の耳」を持っているトップスケーターは他に、

エフゲニア・メドベージェワ
テッサ・バーチュー&スコット・モイヤー

浅田真央さんも確かに音楽の耳、持っています。
真央ちゃんの演技、忘れられません。

 

音楽の耳をきたえるとフィギュアスケートで表現力がアップすること間違いなし!

 

 

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